柳田写真館(横須賀本店)のホームページをご覧いただきありがとうございます。
本日はフォトスタジオのメンテナンスをいたしております。

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写真館のフォトスタジオに行くとこのようなライトが天井から吊るされているのが印象的ですね。

スタジオのメンテナンスと言っても『全体の掃除』『背景のクリーンナップ』『三脚等の整備』などなど、様々でございます。
そんな中、本日行っているのは『ストロボの色温度調整』でございます。

スタジオで写真を撮る時「ピカッ!」と光るアレ。それがストロボです。
このストロボと呼ばれるライトは『発光部』と『電源部』で成り立っております。
簡単に説明しますと、『電源部に電気をいっぱいにためて⇒発光部へ一気に放出⇒ピカッと強い光がでる』という訳です。

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右の装置が露出計⇒光の量(強さ)を測ります。 左の装置が色温度計⇒光の色を測ります。

柳田写真館(横須賀本店)のフォトスタジオには『8台の発光部』『7台の電源部』が設備されています。
数としてはかなり多く設備しているスタジオと思いますが、少ない数でも良い写真を撮ることはできますので、数にはこだわらない方がいいでしょう。

さて、本日はこの『色温度計』に活躍してもらい『8台の発光部』の色温度を揃える作業をいたしております。
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この『ピカッ!』と光る発光部ですが、1台1台それぞれが光った時の「光の色が違う」のです。(これは製品のバラツキという単純な問題ではなく、もともとそうなる物だとご理解ください)
これは写真の仕上がりを大切にする柳田写真館(横須賀本店)にとってとても重要な問題です。

「光の色」と言われても「よくわからない・・・」とおっしゃる方がほとんどだと思います。
では、考えてください。
「ろうそくの光」と「蛍光灯の光」は色が違いますね。夜の道を歩いているとき「街灯の光の色」がそれぞれ違うのが気になったことはありませんか?
お友達の写真を撮る時、『顔を蛍光灯で照明』して『体をろうそくで照明』したら「不思議な変な色に写ってしまう」のは想像できると思います。

そうなんです。「ただ明るくしたい」と言っても電球によって色に違いがあるんです。
もちろん『写真撮影用の電球(発光部)』ですからある程度の基準の中にはおさまっていますが、このそれぞれ違う光の色を「ピッタリに揃える」ことは『美しい写真を仕上げる』上でとても大切な事なんです。

では、『写真撮影用発光部』の色はどんな風に狂いが出ているのか?
「赤黄色い」⇔「青い」のどちらかになりますが、ほとんどの場合『赤黄色い』色を『青い方向へ』修正する作業となります。

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イギリス製LEEのフィルター(映画関係者の方には有名なメーカーですね)

先ほどお見せした「色温度計」には「ケルビン」という値で数値が表示されるのですが、我々人間が生活している中で最も基本的な光の色は『5,000ケルビン』です。
洒落たカウンターのあるバーなどで目にする「雰囲気のある赤い光」は『3,000ケルビン』以下ですし、晴天の時の日影はよーく観察すると青く見えるはずで『7,000ケルビン』以上あるはずです。
スタジオの発光部は光の質を変更するためのカバーなどを付けているので、4,200ケルビンから4,800ケルビンぐらいと低くなっている場合が多いのです。

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そこで、青いフィルターを取り付けケルビンの値を高く(4900~5050ケルビン)します。

実際のところ、フィルターによる調整(修正)は400ケルビン以上はうまくいかない(メーターでは上がっても写すと綺麗な発色をしない)と私は考えています。
そして、発光部は当然経年変化をしますのでそれによって低いケルビンになってしまっている場合もあります。

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そんな時はこの発光管を交換します、(写真の物はアンバー色に特注した発光管です)

柳田写真館(横須賀本店)では、色温度を±75ケルビンにおさまるように設定しております。
こんなメンテナンスを定期的に行うことで品質の高い写真を仕上げることが出来るのです。

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1台づつ調整していくのはとても手間のかかる作業です。

最近はフェイスブックやインスタグラムなどで皆様もお写真を撮られる機会が多いと思います。
そこで1つアドバイスでございます。

お写真を撮る時は1種類の光のみで撮影してくださいね。
太陽の光が弱いからといってお部屋の明かりを灯して写真を撮ると、2種類の光の色が混じってしまい綺麗な写真は撮れないのです。
(蛍光灯と電球の2つで照らされたものも綺麗に写りません)
最近のスマートフォンのカメラはよく出来ているので、1種類の光のみで写してあげれば、その光の色が正常値で無くても補正してくれます。
しかし、2種類以上の光の色が混在してしまうと補正は不可能になってしまうのです。
シャッターを切る前に「この被写体を照らしているのはどの光かな?」と周囲を観察するクセを付けましょう。