柳田写真館(横須賀本店)のホームページをご覧頂きありがとうございます。
当フォトスタジオの屋内フォトスタジオに(常設)設置してある7種類のバックグラウンド(写真撮影背景)の1つを作り替えました。

入れ替えのため外した写真撮影用背景は爽やかな室内のイメージを持つ背景でとても気に入った1枚でした。
よって、新規の写真撮影用背景はこのイメージをさらに膨らませた逸品にしたく、バックグラウンド制作者と打ち合わせを開始したのが2021年1月でした。
無事本日納品となりましたので、何と6か月に及ぶ製作期間(意見の交換・デザインの直し等)を費やしたのでございます。

写真館(フォトスタジオ)のバックグラウンド(写真撮影用背景)は、ほとんどの物が「専門の職人による手描き」で製作されております。
しかしながら、「オールマイティに使えるように製作済みのバックグラウンド」を購入する写真館と「一品物の(今回柳田写真館が制作依頼したように)完全オリジナルバックグラウンド」を発注する写真館の2つに分かれます。
当然のことながら後者の方が費用的にも労力としてもかかりますが、柳田写真館はこの「完全オリジナル」にこだわっております。

今回、私がバックグラウンド制作依頼するに当たっては、まずイラストレーターなどを使いラフスケッチを私自身で作りました。
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先に導入した『庭園風景のバックグラウンド』が窓の外に見えるホールをイメージしました。

これを元に打ち合わせを重ね、テストに1/2のサイズを作ってもらいました。
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8
0cmの人形をダンボールで作り立たせてみました。

この段階で気になったのは「左手窓の外の植え込み」が「ぎっしりと植わり過ぎている」事でした。
右手のアーチ型出入り口の「高さ」も中途半端に感じたのですが、実寸ではないテスト画なので指示を出すまでには至らず、職人の方に思いを伝えるまでとなりました。

このように、プロの方とやりとりする場合は『自分の指示したこと』『職人さんが気配りしてくれたアイデア』などなど、その経緯に遠慮することなく『現在の仕上がりに対する意見を屈託なく述べる』それがもっとも重要だと考えています。
お互いの考え方を非難・批評するのではなく『目の前にある仕上がり』に対する意見をしっかりと伝えること、両者がそれを出来ていれば必ずいい結果がついてきます。

そして6月に納品された『新作バックグラウンド』がこちら。
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残念ながら左手のチェストの遠近感が今一つとなってしまいました。

ここで現場にいた全員で「何を直すと落ち着きのあるチェスト位置になるのか?」長い話し合いを持ちました。
もちろん、チェストを下にズラした画に描き直してもらえば、表現上は完成となるのです。しかし、それが本当にいい結果なのかはよーく考えなければならない事案です。
話し合いの結果『チェストの下げる寸法』と『右手入り口から差し込む光の表現』の追加をしてみる事となりました。

本日納品された『修正後の新作バックグラウンド』がこちら。
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ノスタルジックな良いバックグラウンドになりました。

そして、このバックグラウンドの良いところは、バストアップ撮影時に『右側使用』と『左側使用』で2種類のイメージの写真が撮影できるところです。
これは、発注時から意識していたことなのですが、敢えて職人の方にはこの使い方を伝えませんでした。そこを意識して画を描かれた場合に「かえって不自然になってしまう場合」もあったからです。

『新作バックグラウンドの右側』を使用すると
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『新作バックグラウンドの左側』を使用すると
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このように1枚のバックグラウンドからいろいろな背景を切り取れるのは、撮影する私にとってとても想像力が膨らむので、嬉しい限りです。
そして、今回外したバックグラウンドは「まだまだ十分使える物」なので、屋外フォトスタジオにて使用していく予定です。

ご存知の方もいらっしゃると思いますが、柳田写真館では『新型コロナウイルス感染拡大防止』のために『基本的に屋外フォトスタジオ』での撮影を行っております。
この屋外スタジオにも当然バックグラウンドは必要、今回屋外用におろした1枚の他に『屋外フォトスタジオ用として2枚のバックグラウンド』を購入いたしました。
よって、屋外用バックグラウンドは計4枚となり、無地のタイプも加えると8枚ほどを使えるようになりました。

実際のところ、屋外フォトスタジオに投資をおこなっても利益が増すことはなく、柳田写真館としては手間がとても増えてしまう作業でございます。
しかしながら、現在のように(2021年7月)感染拡大が止まらない現状を考えますと、『感染拡大防止策として各人が出来ること以上の配慮をしなければならない』と感じております。

柳田写真館としましては、一般的に言われている感染防止策をもう少し強化した防止策としての『屋外フォトスタジオ』も活用し、感染拡大防止に全力で取り組んでまいります。
よろしくお願い申し上げます。