柳田写真館(横須賀本店)のホームページをご覧いただきありがとうございます。
今回は『いっぱいシャッターを切る』とは「なんなのか?」をお話ししようと思います。

柳田写真館で撮影なさった方々から「いっぱい撮ってくれるんですね」「こんなにたくさん撮った中から1枚を選ぶんですね」とのお言葉をいただく場合がよくございまます。その時は「ええ」とお返事して次の話題へ移ってしまいますが、先日「いっぱい撮る訳を知りたい」という方がいらっしゃいました。その質問は撮影を日常としている私にとってとても新鮮でしたので、改めて撮影中の自分を見直すとてもいい機会でありました。

横須賀・柳田写真館・撮影・家族写真

では『いっぱいシャッターを切る』とは?なんなのかお話ししましょう。(あくまで私自身の方法論ですが・・・)

柳田写真館(横須賀本店)へ「5人の家族写真」を撮影にこられた「初対面の方々」を撮影するといたしましょう。まず、写真の中心人物をお客様と話し合って決めますね。お一人の場合もあればご夫婦お二方の場合もございます。その方を中心に「画面構成(並び順)」を決定し、服や髪の乱れ・ネックレスの長さなどを調整するまではご想像頂けると思います。
さて、いざ撮影開始です。シャッターを切りながら考えることは、
①「一番いい感じの表情をなさっている方」を見つけます。
②「他の方々の表情を、この一番いい感じの方の表情に近づける」努力をします。
③「ご家族お一人お一人それぞれの一番いい表情を、自分の頭にインプット」します。
④「インプットされたそれぞれの良い表情が1つのシャッターに収まるタイミングを計りながらシャッターを切り続け」ます。
⑤「先ほど決めた中心人物の良い表情をさらに引き立てる他の方々の表情を探り」ます。
⑥「いい感じの表情が全員のバランスをとるまでシャッターを切り」ます。
⑦「全員のバランスのとれたいい写真が数枚撮れるまでシャッターを切り」ます。
箇条書きにするとこうなります。

横須賀・柳田写真館・撮影・家族写真

まず大切なのはカメラマンである私が『すべての方のベストのしぐさ・表情を覚える』ことでございます。そしてこの『各々のベストが揃う』までシャッターを切り、かつ『各々のベストが写真の中心人物』を引き立てているか考えながらシャッターを切ることです。
「あっ!今は右側の2人が良い表情だった」「今度は手前の1人が最高の表情だけれどもシャツに乱れがあった」「今は奥の1人だけいい感じ」・・・しっかりと切ったシャッターについてインプットしながら撮影を続けています。
「ってことは手前2人はこんな笑顔がお似合いで、奥の3人があんな仕草の瞬間が撮れれば完成だな・・・」なんて頭の中でイメージを組み立てながらのシャッターなのです。

その過程が『いっぱいシャッターを切った』行為そのものであり、そのシャッター数はあくまで結果なのでございます。この「完成イメージ」をもって写真撮影に取り組んでおりますので、切ったシャッターに写ったものは「私にとってはすべてまったくの別カット」なのです。

広告写真家として有名ブランドのファッション写真なども撮影してきた私は、「ファインダーを覗きながら見えている全てを瞬時に把握するクセ」が身についています。ファッション写真では「衣装のディテールがわかりつつ、ピアス・指輪・バッグ・シューズ・・・の全てを美しい形で1枚の写真に収める」技術というより判断力が求められています。
そのハードルはとても高く例えば「靴の裏が見えていてはNG」「揺れているバッグがスカートのドレープを邪魔していたらNG」などクライアントからの要望を満たさなければなりません。それは「そうとうの神業的判断力」をもって集中してカメラを覗いていなければならなく、それが出来なければ「モデルへの指示」はもちろん「シャッターを切るタイミング」さえ掴めないでしょう。

先ほど例にあげた「5人の家族写真」を撮影するときも「5名のそれぞれの表情や立ち方・手の位置など全てを一度に見る技術」を駆使して撮影を行っています。
やみくもに『いっぱいシャッターを切っている』訳ではないのをご理解いただけたかと思います。

横須賀・柳田写真館・撮影・記念写真

文末になりますが「全員のバランスのとれたいい写真」とは『ここにあげた方法論の先を追求した世界』にあることもお伝えしておこうと思います。
誰か1人が良い表情を出来ていなくとも『心に響くお客様にご満足いただけるいい写真』になることは数多くあるのです。